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上田 眞士 教授

日本のサラリーマンを理解する・・・・・・

上田 眞士 教授

イギリスの決してエリートではない、働く人たちが伝統的に保持してきたメンタリティを表す有名な言葉に、"Them and Us"という言葉があります。「奴ら」と「俺たち」という風に、一般的には訳されてきました。しばしば労働者から「奴ら」と呼ばれてきたのは、経営者や管理者の人たちです。他方、「俺たち」というのは、現場の労働者仲間のことです。だから、ここには「雇う者」と「雇われる者」、「管理する側」と「管理される側」、そうしたはっきり二つに分断された企業社会のイメージが鮮明に現れています。
ひるがえって日本のサラリーマンは、どうでしょうか。「我が社の製品は・・・・・」「我が社のシェアは・・・・・」。この「我が社」という言葉ほど、現代日本のサラリーマンが日常的に口にしてきた言葉はないでしょう。そして、ここでは「奴ら」と「俺たち」という風な、二つに区分された企業社会のイメージは、ほとんどその影さえ観ることができません。どうして、こうした違いが生まれてきたのか。日本のサラリーマンは、会社の中で何を考え、日々仕事に骨折り取り組んでいる人たちなのか。一言で言えば、自分なりに「日本のサラリーマン」の実像を理解したい。そういう想いで、毎日の勉強を続けています。


うえだ まさし

1980年代以降のドラスティックな産業関係の変貌、その意味することをイギリスを素材にずっと考えてきました。現在の研究テーマの一つは、春闘終焉後(=ポスト団体交渉)の、日本における賃金決定の仕組み、その実態の解明と問題点の考察にあります。

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受験生へのメッセージ

最近、「何のために大学へ進学するのか、よく考えなさい」とか、あるいは「自分の適性や進路を見据えて、大学を選びなさい」とか、そうした「アドバイス」をときどき耳にします。それが世間の「良識」であることは理解しているつもりですが、自分の受験生時代や学生時代を振り返ってみると、そうしたことはほとんど考え(られ)なかったように思います。そして、「天の邪鬼」な私は、「何のために」と問う前に、「どうすれば学生生活が充実するのか」、そちらに気を配った方が「よほど有意義なのに」と考えたりしてしまいます。

これから大学生になる皆さんに一言。まずは大学では貪欲に読書して下さい。知的な体力の涵養という点でも、人間形成という点でも、学術書に限らず精力的に読書してほしいと思います。それから、クラブ活動やサークル活動、学生自治の活動などを通じて、大いに徒党を組んで「青春」して下さい。「仲間」を組織できる力は、若年時代に培うべき大事な力だと思います。