from SANKANアーカイブ
同志社香里高等学校の皆さんへ
2010-09-03
教員コラム 投稿者:【浦坂】
浦坂です。9/3(金)の産業関係学科説明会には、60名近い皆さんにご参加いただき、本当にありがとうございました。約1時間という短い時間でしたが、静かに、集中して聞いてくださって、とても気持ちよくお話しすることができました。心よりお礼申し上げます。
さて、皆さんは産業関係学科についてどのような印象を持たれたでしょう?「こんな学科もあるのか」「結構面白い勉強ができそうだな」「何だか楽しそう」......そんな風に感じてもらえていたらいいなと願っています。皆さんに書いていただいたコメントシートを眺めながら、答え切れなかったことを少し補足しておきますね。
まず、就職先、カリキュラム、研究テーマ、ゼミの内容、産関で学んだらどういう力が身につくのか、というようなことは、このHPやお配りした冊子、パンフレットを読んでもらえれば分かると思います。また、私たち教員がどういう研究をしているのかは、同志社大学HPの研究者データベースや個人HPでも調べることができます。なかなかバラエティに富んでいますよ。
良い質問だなと思ったのは、「産関で学んだことは会社でどのように生かされますか」「どんな職業についても役立ちますか」というもの。例えば、働く人は様々な法律によって守られているのですが、そういうことを知らないままでいると、仮に「明日から来なくていいから」と言われたり、お給料を支払ってもらえなかったりしたときに、どうすればいいのか途方に暮れてしまいますね。泣き寝入りせざるを得ないかもしれません。
そういうときに、きちんと対応できる力、あるいは周りで酷い目にあっている人がいたときに、手を差し伸べてあげられる力、こういうのも産関で学ぶことによって身につけられる力ですし、会社の中でも、どんな職業についても必要不可欠な力だと思います。
「ニートのような働かない人について調べることはできますか」という質問もありました。確かに、家に引きこもっていたりするような人を調べるのは難しいですね。でも、大学では色々な工夫をしながら、働かない人の実態についても把握しようとしています。すでに多くの研究成果が得られていますので、本や論文を探してみてください。
他にも、「ディズニーランドの人材獲得や育成に関心があります」「アジア諸国で日本のアニメが大人気なのに関心があります」といったことを書いてくれた人がいました。前者はそのまま卒論のテーマにした学生さんがいましたし、後者についても「アニメーター」という職業を切り口にして産関で扱うことはできそうです。
進学先の選択肢としては、社会学部の他学科に加えて、法、経済、商、政策、美芸、文化史などが挙げられていました。法、経済、商、政策は、産関での学びと重なる点が多々あります。私自身、経済の出身ですしね。美芸や文化史になるとちょっと苦しいですが(笑)、芸術作品の中で「労働」がどう取り上げられているか......なんてことを考えだすと、道がないわけではない!と思います。
10月になれば、社会学部では「授業公開」も行われます。大学での学びを一足先に体験するのも楽しいもの。そういう機会を十分に活用して、是非納得のいく進学先を選択してくださいね。来春、新町キャンパスでお会いできるのを楽しみにしています。
卒業生ゲストスピーカーと最新版の学科パンフレット
2010-06-22
教員コラム 投稿者:【浦坂】
産業関係学科では、2年近く前に学科紹介のパンフレットを作成しました。このホームページも、パンフのコンテンツをもとに構成しています。その中のQ&Aに登場してくれていた学生さんたちが全員卒業してしまったり、新しく上田眞士先生が着任されたりしたので、現在、夏のオープンキャンパスに間に合うように最新版を作成中です。
最新版のQ&Aには、この3月に卒業したばかりの山根匡博さん(株式会社日本経営勤務)が、卒業論文に関する項目で再登場してくれることになっています。その取材を兼ねて、6/21(月)にキャンパスに足を運んでいただき、古巣の浦坂ゼミではゲストスピーカーとして議論に加わってもらいました。
浦坂ゼミ生の多くは、山根さんが昨年SA(スチューデント・アシスタント)としてかかわっていた授業を受講していたために顔見知りの間柄です。ですが、すっかり社会人の雰囲気が身に付いた彼は、もはや「気安い先輩」という感じではなく、私も「山根くん」と呼びかけるのに違和感を覚えてしまったくらいでした。そういえば、パンフの取材に来てくださった業者の方(やはり顔見知り)も、「一層凛々しくなっていましたよ」とおっしゃっていましたね。
ゼミでは今、各自が研究テーマを模索している最中です。その日も2名が進捗状況を報告したのですが、山根さんもそれぞれに対して的確なコメントを出してくれた上に、自身の仕事を踏まえて貴重なメッセージを後輩たちに残してくれました。
例えば、大学での研究は、どちらかといえば常に自分を前へ前へ押し出すことが求められるけれど、コンサルティングの仕事は、まずクライアントの事情を受け止めることから始まる。だから、素直に、謙虚に耳を傾ける姿勢が何よりも大切とか。問題意識を持ち、対象を分析して、結果を発信するという意味では、大学での研究の延長線上で考えられるものの、それがビジネスになったときに、優先すべき点が異なってくることを彼自身が理解し、急速な勢いで適応していっていることがよく分かりました。
山根さんは、from SANKANの3/21(日)付け記事で書いたように、最優秀卒業論文の初代受賞者です。3年生で受講した「産業調査実習」から一貫したテーマで研究を進め、2年間かけて書き上げた労作でした。そこまで時間をかけて取り組む人はまずいませんし、どれだけ手間暇をかけたかで出来がほぼ決まってしまうのが卒業論文です。完成した彼の卒業論文を一読したときに、何よりも論じていく迫力と熱っぽさに圧倒されました。より一層緻密に、慎重に......という部分が、今後仕事をしていく中では不可欠になってくるのかもしれませんが、持ち前の骨太なスタンスは是非保ち続けていってほしいと願っています。
同じように卒業していった人たちも、社会人になって早3ヶ月。きっと見違えるくらい成長していることでしょう。まだまだ始まったばかりです。学生時代に経験した様々なことを糧に、自分を信じて日々の課題に挑戦していってください。そして、少し余裕ができたら、それを後輩たちにも伝えに来てあげてくださいね。
山根さん、お忙しい中ご協力本当にありがとうございました。そして受験生の皆さん、最新版の学科パンフレットをどうぞお楽しみに!
2009年度卒業式が行われました
2010-03-21
諸事連絡 投稿者:【浦坂】
お天気にも恵まれた3月20日(土)、15時より栄光館で卒業式が行われ、84名に学士、2名に修士の学位が授与されました。多くの方々からの祝福を受け、思い出深い母校を巣立っていった卒業生たちに、心からのエールを贈ります。
また、2006年度から、産業関係学科の専門科目(必修・選択Ⅰ)の成績が特に優秀だった卒業生(上位3名)を「産関賞」として表彰しており、卒業式後の学科による学位記授与の席で発表し、その努力を讃え、記念品を贈呈しています。栄えある2009年度の受賞者は、以下の通りです。
最優秀 北川祐子さん(石田ゼミ)
優秀 小川あずささん(千田・松村ゼミ) 高橋美輝さん(千田・松村ゼミ)
3名の受賞者にクリスタル製のメダル(金・銀・銅)が授与されました。
さらに、首席卒業生の北川さんには、副賞としてティファニーのボールペンが贈られました。
なお北川さんは、社会学部全体でも首席卒業生であり、卒業式の壇上で、総代として学長から学位記が授与されました。産業関係学科として、本当に誇らしい瞬間でした。
さらに、今年度より最優秀卒業論文も表彰することになりました。
1月25日(月)に行われた卒業論文の口頭試問グループから優秀卒業論文を1編ずつ、計4編を選出し、その4編を厳正に審査した結果、最優秀卒業論文1編を決定しました。栄えある初代受賞者は、以下の通りです。
最優秀卒業論文 山根匡博さん(浦坂ゼミ)
標題「保育労働の動機づけと労働条件の構造的関係」
山根さんには、メダルに加えて、副賞としてウォーターマンのボールペンが贈られました。
皆さん、本当におめでとうございます。
これからますます大きく羽ばたいてくれることを、心から願っています。