朴 峻喜 助教
十分な賃金、適正な人員、余裕がある職場の実現に向けて

新自由主義の時代になってから、働くことはますます大変になってきました。どれだけ一生懸命に働いても、暮らしが苦しくなっていくような時代です。非正規雇用は増え、雇用の格差や差別も深刻になり、正規職の賃金もなかなか上がっていません。デジタル化が進み、さまざまなことが便利になる一方で、現場の人員は減っており、十分に休暇を取る余裕もないのが現状です。
私は、十分な賃金がきちんと保障され、仕事の内容に見合った人員が適切に配置されること、そして心にゆとりを持って働ける職場環境は、どのようにすれば実現できるのかを日々考えています。また、他の国々ではこうした課題にどのように向き合っているのかを調べながら、私たちにとって何が必要なのかを模索しています。 私たち自身の働き方がどのようであるべきか、一人ひとりが自分ごととして考えていけたらと思います。
ぱく じゅんひ
労働現場における差別や不合理をいかになくしていくか、また、より多くの人々が「働きたい」と思えるような職場環境をどのように構築するかという問いに対して、労働組合をはじめとする労使主体の行動に着目し、研究を行っている。
research map受験生へのメッセージ
労働について学ぶことは二つの意味で重要だと考えます。第一に、労働の現実について体系的に考察することで、将来自分たちが身を置くことになる職場において、どのような状況や課題に直面するかを正確に認識することができます。さらに、自らの職業キャリアをどのように築いていくかについて、長期的な構想と計画を立てるうえでも非常に重要です。
第二に、より広く言えば、わたしたちの社会の構造的な問題を生み出している労働問題の改善や解決に向けた意識を育てることにもつながります。労働市場の構造変動により、自分自身だけでなく、すべての働く人々が雇用不安や失業のリスクに常にさらされているという現実を知るきっかけにもなるでしょう。 このような問題を改善するために、職場で何ができるのか、そして社会的にはどのような取り組みが必要なのか、産業関係学科で一緒に議論してみませんか。