三吉 勉 助教
労働組合って何をしているの?
労働組合と聞いて、皆さんはどのようなイメージを持たれているでしょうか?春闘での賃上げ交渉をしている姿?メーデーなどでのぼりを掲げてシュプレヒコールをしている姿?というように報道で見る労働組合は断片的で、ほんの一部の姿しか捉えていません。労働組合は労働する場である職場で何をしているのでしょうか?組合の構成員である労働組合員は何を求め、何が実現できているのでしょうか?
実は労働組合は賃金という労働に対する対価だけでなく、労働の量と質に対しても企業に対して様々なアクションをしています。量ということでは労働時間すなわち残業時間や休暇取得に対しての働きかけですし、質ということでは経営対策や経営対応と呼ばれる企業経営そのものに対する発言がそれにあたります。
これら以外にも共済制度、社会貢献活動、国や自治体の政策や制度に対する発言など、働く人たちが安心し納得して暮らせるための様々な取り組みを行っています。これら労働組合の様々な活動の中でも、特に企業に対する労働組合の働きかけが企業経営の変化、労働者の能力や働き方などの変化によってどう変わっているのか、これからどう変わっていくのかということを日々研究しています。
みよし つとむ
変化の激しい企業社会において、雇用関係はどのように変化をしているのか、その中で労働組合が職場で果たしている機能は働く人たちを幸せにできているのか、幸せにするにはどうすればいいのかということを根源的な問いとして研究をしている。
research map受験生へのメッセージ
私はいわゆる理科系学部に入学・卒業し、技術者として企業に就職しました。数学や自然科学の世界はピュアな世界で、法則や定理の通りに世界が動く(在る)ので、その純粋さに惹かれて自然科学を志しました。ところが社会に出て企業社会というものに触れ、さらに労働組合役員として職場の様々な問題に携わる中で、社会というものは一筋縄ではいかない世界だということを知りました。
社会科学というのは、ある概念・方法を通してこのように一筋縄ではいかないややこしい社会というものを見つめ、理解しようとする学問で、高校までに学校で学ぶ内容にはほぼ含まれない内容ではないかと思います。それだけに勉強するたびに新たな発見や気づきがあり、その結果、社会を見る目が変わってくる自分に出会えると思います。
「新しい目」を獲得し、「新しい自分」に出会うことのできる産業関係学科で共に学びましょう。