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浦坂 純子 教授

文系出身者より、理系出身者のほうが高収入?

浦坂 純子 教授

今から20年ほど前、ある難関国立大学出身者1万5千人に対する調査から、文系出身者と理系出身者の生涯所得の差が5千万円になるという研究結果が発表されました。その理由として、文系出身者のほうが待遇のいい業種・職種に就職しやすい点や、ジェネラリストとして出世しやすい点などが挙げられていたのですが、大卒者全体で見たときにも本当にそうなっているのかという疑問を持ちました。
そこで、大卒者全体に対象を広げてWEB調査を実施したところ、出身大学・学部の入学難易度にかかわらず、文系出身者よりも理系出身者のほうが高収入であることが分かりました。しかし、その差は難関大学ほど小さく、先行研究と真っ向から対立する結果ではないことも確認できました。長い間「文系出身者のほうが高収入」と思い込んできたことが、新たな研究によって覆されることは、実にスリリングで楽しいことです。理系離れが叫ばれる中、理系へ進むことは決して損ではないというメッセージを受け取ってもらえればと思います。


うらさか じゅんこ

労働市場の流動化を背景に、労働者が生涯にわたって様々な移動を繰り返しつつ持続的にキャリアを形成する過程を、学校、企業、NPO、創業、インターバル等のキャリアステージを拠点に分析し、社会における適材適所の達成を考究している。

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受験生へのメッセージ

産業関係学科は、「働くこと」を様々な角度から研究する学科です。私は、学生時代に経済学を学びましたが、経済学の枠組みの中だけで「働くこと」を扱うのに少し窮屈さを感じていました。なぜならば、経済学では、人は理屈通りに行動すると考えるからです。でも、実際は決してそうではありませんね。人が関わることは、理屈通りにいかないことばかりで、その現実と向き合いながら、大多数の人は40年以上を働いて過ごすことになるわけです。皆さんも、家族が働く姿、自分自身のアルバイト経験、新聞やテレビで取り上げられている「フリーター」や「ニート」などといった話題から、色々と感じることもあるでしょう。「大きくなったら何になりたいですか?」という質問が、今改めて胸に迫っているかもしれません。是非産業関係学科で共に学び、皆がやりがいのある仕事ができる社会のあり方を模索しつつ、これからのライフデザインを描いていってください。