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三山 雅子 教授

普通の仕事を行っている人をどのように処遇するかに、
その社会の成熟度が現れます。

三山 雅子 教授

日本の労働者のなかで非正社員の占める割合が高まっています。小売業や工場で働く人の多くは非正社員ですが、こういう普通の仕事をする人たちがどういう処遇を受けるかに、その社会の特徴が現れてくると考えています。
たとえば、いま問題になっているワーキングプアは、働いていても、その賃金で生活を維持していくことがきわめて困難な人たちです。多くは非正社員で、店員、ヘルパー、事務職や製造職など、ごく普通の仕事で働いています。こうした人たちをどう処遇するのか、まじめに働いていたなら暮らしていけるだけの待遇をするのか、それとも低賃金のまま使い捨てるのか。そこに社会の成熟度、もっと言えば品位が現れています。非正社員にきびしい社会は、実は正社員にもきびしい社会なのです。そのことに、働く人すべてが気づいて、自分の問題として考えてもらいたいですね。


みつやま まさこ

地球規模での経済競争の下で、企業がいかに正・非正社員の活用を進め、いかなる人事処遇制度を構築しようとしているのか、さらに働く人々から見た時にこのような制度構築はどうなのか、気持ちよく働けて持続可能な雇用システムとはいかなるものか研究している。

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受験生へのメッセージ

これを目にしているあなたは大学で何を学ぼうと考えていますか?30年前の私のように、何が知りたいかはよくわからない、ただ自分が文系であるということはわかっているという人も多いのではないでしょうか。

産業関係学科は「働くこと」を研究することによって、今という時代と今を生きる人間について知ろうとする学問分野です。私たちが今食べたり、身につけたりしているものは全て労働の産物です。そして私たちの日々の生活も、働いた結果のお給料によって維持されています。私たちは、働くことに1日の1/3程の時間を費やしていますが、これは言いかえれば働き方の有り様によって、毎日が、つまりは人々の一生の有り様が左右されることを示しています。現代日本は働くことについて、若者の就職難・失業・正社員と非正社員の賃金格差などの様々な問題を抱えています。この難問を解決したならば、私たちはずいぶんと生きやすい社会を作り出すことができると思います。私は、私とは違った時間を生きてきた若いあなた達と一緒に難問解決にチャレンジしたいと思います。産業関係学科で、ぜひお会いしましょう。