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from SANKANアーカイブ

大学生キャリアセミナー京都2009に参加して

2010-02-07
教員コラム 投稿者:【浦坂】


1/8(金)に告知した「大学生キャリアセミナー京都2009」の第1回に参加しました。当日は雪が舞う大荒れのお天気でしたが、関西一円から沢山の1・2回生が京大に集まり(同志社からも何名か参加してくれたようです)、とても充実した時間を過ごすことができました。
内容はこんな感じです。最初に主催者側からご挨拶や趣旨説明があり、引き続き「大学生の意識調査2009」という簡単なアンケート調査が行われました。これは、様々な活動に費やしている時間や身についた事柄、将来の見通しなどについて答えるもので、この後の私の講演の間に内容が分析され、参加者一人一人に結果がフィードバックされました。この結果を通じて、自分がどのようなタイプの大学生なのかを認識します。
そして、いよいよグループワークです。まず3人組になってお互いに自己紹介した後、45分程度のフリーディスカッションが行われました。テーマは、大きく「将来について」と「大学生活について」。どのような職業に就きたいか(就職)や人生をどのように過ごしていきたいか(人生設計)、その将来に向けて何を頑張ればいいのか(目標や課題)、自分の当面の課題は「適応課題」(対人関係、活動など)か「成長課題」(勉強、読書など)か、などについて話し合いました。
初対面であるにもかかわらず、そこは同じ大学生同士、話し始めると一気に距離が縮まったようです。すっかり打ち解けた雰囲気になってきました。終了後は、軽食をいただきながら懇親会。私もそこでは何人もの参加者の皆さんと熱く(?)語り合い、気がついたら19時を回っていました。外は相変わらずの吹雪で、震え上がるほどの冷え込みでしたが、気持ちのいい高揚感に包まれてのお開きとなりました。
何かを教えてもらう場ではなく、自分のことをしっかり見つめ直し、自分で何かに気づくための場だったと思います。そして、気づいた後にどうするかが問われる場でもあったと思います。
日々の大学生活をこんなもんかな~と思っている人、楽しくて仕方がない人、受け入れられなくて苦しんでいる人、色々な人がいました。その「色々な」感じが、どれも前に進んでいくため大きなパワーに転換できる可能性を秘めているように思うのです。
そのためには、身近なところから目標を立て、課題を見出し、あがくこと、もがくこと、何度も何度もやってみること、そういうことでしか道は開けない......今回のセミナーに込められたメッセージに、本当にその通りだなと深く共感しました。「今できなければ、この先もずっとできない」という言葉が、私の中でも強く響いています。
このセミナー、第2回、第3回が以下の要領で実施されます。新たに参加することもできるようですので、関心のある人は是非問い合わせてみてください(PDFファイルを参照のこと)。

第2回 4月17日(土)14~17時
第3回 8月3日(火)10~14時
場所:京都大学吉田南キャンパス
参加資格:関西の4年制大学1・2回生 定員100名
参加費:無料(要申し込み)

受験生の皆さんへ

2010-01-21
教員コラム 投稿者:【三山】


昨今、社会の注目を集めている非正社員労働者について私は研究している。産業関係という視点から見た時、こういった労働者の労働組合への組織化(=労働組合に加入してもらうこと)が、ようやく進みはじめたことが注目される。だから非正社員労働者の組織化をこれまで中心的に進めてきた労働組合の全国大会への参加を誘われた時、今行かなければ絶対後悔すると思い、遠かったけれど飛行機に乗って行ってきた。しかし、今回書こうと思うのは、その大会の事ではない。このことはいずれ分析・執筆するであろうから、ここには記さない。

帰りの飛行機まで時間があったので、同じく参加していたS大学の方とランチをすることになった。行くべきところは決まっていた。そこはある有名なお菓子屋さんの本店2階にあるレストランで、私が中学生の頃から行ってみたいと思っていたところである。中2の頃であろうか、そのお菓子屋さんのある街から転校してきた子がいた。そのお菓子屋さんはまずチョコレートで全国的に有名になったけれど、その頃はまだ無名で、同じ県に住んでいる私も知らなかった。その子が言うには、そのお菓子屋さんのお菓子はとてもおいしく、休日にはお店にあるレストランに家族でちょっとおめかしして行くこともあるのだという。その子の名前はもはや思いだせないのだけれど、このことだけはなぜか記憶に強く残っていた。

興味を持ってから40年近くもたっての初訪問である。ちょっとだけ贅沢してミニコースを頼んでみた。とはいっても1700~1800円である。この値段からいっても、このレストランが特別な高級店ではなく、普通に働いている労働者がちょっと贅沢をしようという時に行くお店であることがわかるであろうと思う。

小さなレストランであったが、居心地がよかった。でも私の気を引いたのはそのレストランで働いている人達のことであった。ウェイトレスさんは二人しかいなかった。たぶんこのレストランで長く働いているであろう彼女達は、小さな白い襟がついた紺色のワンピースに、同じく小さな白いエプロンという古風な制服を着ていた。似合っていて、可愛らしかった。単に古くからあるお店だからではなく、良きものは残したいという経営者の断固とした意志を感じた。

しかし、そのレストランで何より驚いたのは彼女たちの年齢であった。一人は明らかに私の母(75歳)と同じくらいと思われた。もう一人も60歳前後と思われた。この二人が静かに、そして的確に給仕をしてくれるのである。つまりはゆったりと働いているということだ。帰りには、この2000円未満の二人の客を母と同年齢くらいのウェイトレスさんがエレベーターまでお見送りに来てくれた。

こういった仕事を、この年齢の労働者にさせていることに私は感激した。つまりはこういう雇用の仕方をしていることに感動したということだ。その直前まで参加していた労働組合の大会で、働き続けたいと思っても有期雇用のため働き続けにくいことや、そもそも働き続けることができない過酷な働かせられ方を山のように聞いていたから、なおさらこのレストランのことは印象的であった。この会社は労働者が有給休暇を100%取得(=付与された有給休暇日数を、労働者が全て取得していること)している事でも有名であった。職業柄こういう情報に対しては常に疑ってかかる質だが、この会社ならありえるかもしれないと思った。書くまでもないことだが、ミニコースのお料理はもちろんおいしかった。労働者を、こんな風に雇う会社の作る物がまずいわけはないのだから。

産業関係学ときいても何がなんだかわからない受験生はたくさんいると思う。でもこのレストランの話しからわかるように、産業関係学って私たちの普段の生活の中にあることを働くという視点から考える学問だ。その意味で日常に密着した学問だ。では、桜の頃には皆さんと出会えることを楽しみにしてます(^_^)/~。

「大学生キャリアセミナー京都2009」のご案内

2010-01-08
諸事連絡 投稿者:【浦坂】


京都大学高等教育研究開発推進センターの主催で「大学生キャリアセミナー京都2009」という催しが行われます。詳細は末尾のPDFファイルを見ていただくとして、概要をご紹介しますと、

第1回 2月6日(土)14~17時
第2回 4月17日(土)14~17時
第3回 8月3日(火)10~14時

場所:京都大学吉田南キャンパス
参加資格:関西の4年制大学1・2回生 定員100名
参加費:無料(要申し込み)

ということで、テーマは「日々の大学生活と将来の就職・キャリアをつなげる」。グループワークなどを通じて、皆で試行錯誤してみようという取り組みです。

このキャリアワークショップの第1回で、私が講演をさせていただくことになっています。一応「就職しても力強く学び続けるための大学生活の過ごし方」というお題をいただいておりまして、内容はまだまだこれから、お題に合わせて必死で考えなければならないのですが、その宣伝というよりも......。

普段の生活で、何となくそれなりに過ごすことができていて、楽しいこともたくさんあるし、充実した時間や手応えも時にはある。けれど、気がついたら学年が上がっていて、気持ちは入学した頃と余り変わっていないのに、間近に迫り来る現実だけがどんどん重くなるという感覚。程度差はあれ、皆一緒なんじゃないかと思うのです。

私もそうでした。毎日真面目に、一生懸命過ごしているのに、それだけでは足らないような気がして、不安も大きかったですし、だからといってどうしたらいいのかもよく分からなくて。ダブルスクールでもしようかと、専門学校のパンフレットを集めたりしたこともありましたね。

そういう自分達のありのままの姿を皆で確かめ合って、なんだかんだ話してみる。他所の大学にも、同じ大学生という立場で同じ時間を共有した仲間が増える。色んなことを考え、色んなことをやっている(やろうとしている)人がいるんだなあと実感する。そういうことを求めている人が集まる機会に恵まれる。それだけでも得難いことのように思えるのです。

自分を高めることのできるチャンスは逃さずに、と願っています。

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